コラムcolumn
【近年の建築費高騰の中で、リフォーム費用を抑える方法】2022/12/08
近年日本では建築価格の高騰が問題になっています。
ご自宅の新築や、投資用不動産をお持ちでリフォームを検討される場合など、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
建築費は年々上昇しており、直近の2年だけでも約5~10%もの値上がりとなっています。
もし4000万円のアパートや住宅を新築する場合、200万円~400万円も余計に必要になるということです。
私共も、仕事柄リフォームの見積もりを取ることが多いですが、じわじわと値上がりする建築費に恐ろしさを感じています。
なぜここまで建築費が高騰しているのか、そしてどのように対応していくべきかについてお話しさせていただければと思います。
◆国内の建築費高騰推移
直近では材料不足の問題などもあり値上がりが顕著となっていますが、そもそも建築費は昔から少しずつ上昇を続けてきました。
過去30年間で建築費は約30%以上も上昇しており、さらに上述の通り直近の2年だけでも約5~10%もの値上がりとなっています。
それでは、なぜここまで値上がりをしているのか、その理由を以下で見ていきます。
◆建築費高騰の要因
・ウッドショック
近年の建築費高騰の背景には、輸入木材価格が上がったウッドショックという原因があります。
日本では建築木材の約7割を海外からの輸入に頼っています。
ですが、コロナウイルスの流行によりアメリカや中国を中心とした木材輸出国内で、
郊外に住宅を購入する動きが増したために輸出量が減り、日本で木材不足が発生したというわけです。
もちろん材料にもよりますが、当たり前のように2倍以上の値上がりが見られます。
2021年頃から影響が出始めているため、直近の急激な建築費高騰はウッドショックの影響が大きいといえます。
◆業界内の人手不足
もともと建築業界では慢性的な人手不足が課題となっており、それが長年に渡って価格高騰にも影響しています。
さらにコロナウイルスの影響で外国人労働者の入国が制限されたことも、業界の人手不足に拍車をかけました。
◆半導体不足による住宅設備の値上がり
近年のIT化の流れにより半導体の需要が増えたことに加えて、コロナ禍で半導体関連の工場が稼働停止したことで、半導体の供給量が著しく不足しました。
その結果、給湯器やエアコン、温水洗浄便座などの住宅には欠かせない設備が供給不足となり値上がりしました。
給湯器が故障してお湯が出ない状況にもかかわらず1か月以上交換に時間を要することもあり、
価格高騰以前の問題も起きています。
◆建材の輸入、輸送コストの高騰
原油価格の高まりの影響を受け、輸入時、また国内での輸送コストも上がっているため、それらも建築費高騰に加担する一因となっています。
◆建築費を安く抑える方法
ここまで建築費の上昇やその理由について見てきましたが、投資物件のリフォームや自宅の修繕など、
どうしても実施しなければいけない場面があると思います。
その際に少しでも費用を抑えるためにどのような対策が打てるか考えてみました。
◆工事会社を比較検討する
まず建築費を抑えるために最も重要なのは、適切な工事会社を選ぶことです。
建設やリフォームの費用は、当然ながら業者により大きく異なる場合があります。
どんな物件が理想なのかによって選ぶべき会社も変わります。
ハイグレードな住宅や賃貸物件の場合は、大手の建設会社や高級物件を多く手掛けている会社を選ぶことが良い事もありますが、建築・リフォームの基本は必要十分な技術があり、その中で最も安価に頼める工事業者を見つけることだと私は考えております。
工事内容にもよりますが、最低でも5社以上には相談したうえで比較検討することをおすすめします。
◆必要な設備や工事内容を見極める
自宅であれば自分にとって本当に必要なものは何か、投資用不動産であれば入居付けのために効果的な設備や内装を考え、取捨選択しなければ工事費用を抑えることは出来ません。
賃貸物件であれば、宅配ロッカー、浴室乾燥、追い炊き機能、オートロック、防犯カメラ、などなど、挙げていくときりがありません。
賃貸経営において、入居者様にご満足いただくことももちろん大切なことですが、
思いつく内容をすべて工事に組み込むと、費用が際限なくかかってしまいます。
どこまで設備を揃えれば入居付けできるのか、必要な分を見極めて実施することが賃貸経営の成功のカギと言えます。
◆リフォームに詳しい管理会社に依頼する
これは投資用不動産に限った話になりますが、リフォームに詳しい管理会社に依頼することで良い工事会社や施工方法を知ることが可能になります。
個人で様々な工事会社に相談したり必要な工事内容を見極めるためには、知識が必要ですし、手間と時間もかかってしまいます。
リフォームに関して知識があり、価格と品質のバランスが良い工事会社を知っている不動産屋に管理を依頼することで、オーナー様に手間と時間の負担が無く、退去時のリフォームなど定期的に発生する費用を安く抑えることが可能です。
様々な管理会社に相談して、工事単価やどのような提案をしてくれるのか、話を聞いてみてはいかがでしょうか。