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【アパート経営における消防設備点検とは?】2023/03/02
【アパート経営における消防設備点検とは?】
アパート経営をしている大家さんには、消防法による設備設置や法定点検が義務付けられています。
しかし、建物の用途や規模によって必要な設備や点検の義務が定められているため、意外と見落としてしまうことが多い内容です。
場合によっては、罰則や有事の際に損害賠償責任を問われる可能性もあるため、アパート経営の際には内容を抑えておきましょう。
■設置が義務付けられている設備
・消火器
賃貸アパートなどの集合住宅において、延床面積が150㎡を超える場合、消火器の設置が義務付けられています。
設置本数は歩行距離20mにつき1本と定められています。
また、階ごとに設置が必要なため、階段を上った先の消火器まで20m以内の場合でも、階が変われば設置が必要になるという事です。
火器の耐用年数は、業務用は約10年、住宅用は約5年です。
・火災報知器
火災報知器は室内に設置する必要があります。
台所、及び寝室に使用する部屋への設置が義務付けられており、基本的には台所とすべての部屋に1つずつという認識になります。
宅内に階段がある場合は、階段の上部にも設置しなければいけません。
・避難器具
避難器具とは、火災などが発生した際に上階から避難するためのはしごや滑り台などを指します。
「2階以上の階または地階で、収容人員が30人以上」、または「3階以上のうち避難階または地上直通階段が1つのみの階で収容人員が10人以上」の共同住宅には設置義務があります。
・連結送水管
連結送水管とは、火災発生時に消防隊が消火活動を行うにあたって、火災が発生している階まで消化用水を送るための装置です。
7階以上の高層建築物や、5階以上で延べ床面積が6,000㎡以上の広さのある建物などが設置の対象となります。
設置後10年経過時に点検が必要で、それ以降は3年ごとに点検となります。
その他多くの設備があり、建物の状況次第で設置義務が異なります。
アパートを購入した際には、消防点検を行う業者や管理会社に相談し、漏れなく設備を設置するよう心がけましょう。
■消防設備点検が義務付けられている建物
消防設備の点検・届出義務は、建物の構造や規模によって定められています。
実際はかなり細かく分けられていますが、大まかには以下の基準で点検義務が発生します。
・延べ床面積が1,000㎡以上のもの
・階段が建物内に1カ所しかなく、地下または3階以上の階に特定用途があるもの
上記に該当する建物については、消防設備士、または消防設備点検資格者が点検を行なわなければならないとされています。
■消防設備点検の種類
消防設備点検には、「機器点検」と「総合点検」の2種類があります。
・機器点検
機器点検は6か月に1回の実施が必要で、必要な設備が設置されているか、また外観から設備に異常がないかを確認します。
・総合点検
対して総合点検は、1年に1回の実施が必要で、設置されている器具を実際に作動させて使用することにより、機能に異常がないかを確認します。
■点検費用の目安
物件の規模や設置されている設備の種類によって異なりますが、大まかに分けると以下のようになります。
小規模:1万円~1.5万円
中規模:2万円~5万円
大規模:6万円~
この費用はアパート経営の収支に組み込んでおく必要があるため、事前に今まで実施された点検費用を確認したり、見積をとって費用を見込んでおくことが重要です。
■まとめ
適切な点検や設備の設置を怠っていたために、火災等の事故で被害が発生するケースが後を絶ちません。
有事の際にはオーナーの管理責任が問われるとともに、人命にもかかわる事態になりますので、消防法に則った正しい運営管理ができるよう気を付けていくことが大切です。
消防点検を専門に行う会社も多くあるため、判断に迷った際には相談してみることをおすすめします。