コラムcolumn
今さら聞けない!?不動産業界の「50・50」2024/09/24
大谷翔平選手がメジャーリーグで50本塁打・50盗塁を達成して、まだまだ記録を更新し続けている話題が連日ニュースを賑わせています。このようなマンガの主人公みたいな大活躍は、彼の優れた身体能力と並外れた野球センスによるプレーを象徴していますので、長い歴史の野球界でも稀にみる数字ですが、実は不動産取引の世界では「50・50」という数字はよく使われる数字なのです。それは売主と買主が仲介手数料を平等に負担する、いわゆる「分かれ」といわれる取り決めです。
手数料50%・50%の仕組み
不動産売買において、業者が仲介役として介入する際、一般的に発生するのが「仲介手数料」です。この手数料は、宅地建物取引業法によって「売買価格の3%+6万円(税別)」が上限と定められており、これを売主と買主がそれぞれ50%ずつ負担するのが一般的な「分かれ」取引です。
例えば、5000万円の物件を売買した場合、仲介手数料の上限は約156万円(税別)です。通常、この手数料を売主と買主がそれぞれ78万円ずつ負担します。双方が平等にコストを負担することで、取引の公正性が保たれ、どちらか一方に過度な負担がかからないようになっています。
両手取引との比較
一方で、「両手取引」という手法もあります。両手取引とは、不動産業者が売主と買主の両方から手数料を受け取る取引形態を指します。これは、同じ業者が売主と買主の双方を仲介する場合に起こります。この場合、売主と買主の双方から最大限の手数料を徴収できるため、業者にとっては利益が大きくなるのです。
例えば、5000万円の物件が両手取引で売買された場合、業者は売主から156万円、買主からも156万円の合計312万円の手数料を受け取ります。これに対し、50・50の場合は、売主と買主からそれぞれ156万円を徴収しても、一つの契約に対して二つの業者が手数料を分け合うことになるため、1社あたりの収入は減ります。
両手取引のメリット・デメリット
両手取引には、顧客にとってのデメリットもあります。業者は取引関係者の両方から手数料を得るため、利益は大きくなりますが、売主と買主の利益が相反する場合には、公平性が損なわれるリスクがあるので注意が必要です。例えば、業者が自分の利益を最大化するために、売主にはできるだけ高い価格を、買主にはできるだけ早い契約を求めるなど、両者にとって必ずしも最良の結果とは限らない取引が行われることがあります。
これに対して、50・50の分かれ取引では、売主と買主が異なる業者を通じて交渉を行うことが多く、各業者はそれぞれの顧客の利益を最優先に考える傾向があります。そのため、取引がより公正で透明性が高く、双方にとってバランスの取れた結果を得やすいというメリットがあります。
結論
不動産業界における分かれ取引と両手取引は、それぞれに異なるメリットとデメリットを持ちます。分かれ取引は、公平性や透明性を重視し、顧客の利益が守られやすい一方、両手取引は迅速さと業者の利益最大化が特徴です。どちらの形態が適しているかは、取引の内容や状況によって異なりますが、重要なのは取引の当事者が自身にとって最も適した取引方法を理解し選択することです。結局のところ、心から信頼できる業者との取引が成功のカギとなります。
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