頻発する陥没事故!知らないと危険な「地下リスク」とは?

 2024年9月下旬、広島市西区で発生した陥没事故は、約15メートル×40メートルの道路が突然崩れ、建物8棟が傾くという大規模なものでした。この事故は、地下30メートルで行われていた雨水管の設置工事中に異常出水が原因で発生しました。同じく千葉県印西市でも、地盤沈下による道路陥没が問題となっています。このような陥没事故が不動産投資家に与える影響は小さくありません。特に、地盤や地下構造のリスクは、表面上では確認しづらいだけに、重要な課題です。本コラムでは、陥没事故をきっかけに、不動産投資家が知っておくべき地下リスクについて考察します。

地下構造と工事がもたらすリスク

 まず、地下で行われる掘削工事は、周囲の地盤に直接的な影響を及ぼします。広島市の陥没事故では、地下30メートルでの雨水管工事中に大量の水が漏れ出し、その結果、道路が崩壊しました。このような工事の際には、地盤が掘削されることで、地表が支えを失い、建物や道路が沈下する可能性があります。掘削作業に伴う地下水の流出や、予期せぬ空洞の発生は、地表に陥没を引き起こす主な原因の一つです。不動産投資家にとって、近隣で行われる工事や開発計画は、物件の価値や安全性に直接影響を与えるため、事前に把握しておくことが重要です。

老朽化インフラの影響

 都市部では、老朽化した地下インフラの破損が原因で、突然の陥没事故が発生するケースも少なくありません。古い水道管や下水管が破裂し、その水圧で周囲の土壌が流され、地下に空洞が形成されることがあります。特に、築年数が経ったエリアでの投資は、このようなインフラの老朽化リスクを無視することはできません。不動産投資を行う際には、物件そのものだけでなく、周辺のインフラ状況や都市計画も確認することが必要です。

地盤の安定性と調査の重要性

 また、地盤そのものの安定性も大きなリスク要因です。千葉県印西市での陥没事故では、地盤沈下が原因とされており、地下に自然に発生した空洞や、水の浸食による地盤の脆弱化が問題視されています。不動産を購入する際、表面的な建物の状態にだけ目を向けるのではなく、その下にある地盤の調査も重要です。地盤調査は、特に新規開発や大規模改修を伴う不動産投資では必須です。地盤の安全性が確認できない場合、予期せぬ沈下や陥没により、投資物件が大きな損害を受けるリスクが高まります。

投資家としてのリスク管理

 不動産投資におけるリスク管理は、多岐にわたりますが、地下リスクは特に見落とされがちです。道路や建物が突然陥没するというニュースは、ショッキングなものでありながら、表面的には回避が難しいリスクと感じるかもしれません。しかし、事前に物件周辺の地盤調査や近隣で行われている工事の詳細を調べることで、ある程度のリスクを把握し、対応策を講じることが可能です。

 陥没事故が投資物件に直接的な被害を与えた場合、その物件の価値は大きく下がる可能性があります。さらに、保険によるカバー範囲や避難措置、修繕費用など、予期せぬコストが発生することも考慮しなければなりません。したがって、投資家としては物件選定の段階で、周囲の地盤状況やインフラの老朽化リスクについても十分に確認することが求められます。

結論

 陥没事故のニュースは、投資家にとって一見遠い話に思えるかもしれませんが、実際には大きなリスク要因です。不動産投資を成功させるためには、地盤や地下構造、そして近隣の工事状況など、地上に見えないリスクをしっかりと把握し、リスク管理を徹底することが必要です。しっかりと調査を行い、リスクを見極めた上での投資こそが、安定した収益をもたらす鍵となるでしょう。

 

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