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【アパートを売却した際の税金は?手残りはいくら?】2022/05/10
アパートを売却した際の税金は?手残りはいくら?
アパートを売却して得た利益で、新たなアパートの購入をされる方も多いと思います。
しかし、アパートの売却金額は全額が手元に残るというわけではありません。
その理由は、アパートの売却金額から税金や不動産会社に対しての仲介手数料などが引かれるためです。
アパートを売却する際に不動産会社に仲介を依頼した場合の仲介手数料の上限は法律で決まっており、
その上限の範囲内で不動産会社が自由に手数料を決めることができます。
仲介手数料は売買価格が400万を超えると3%+消費税が上限となりますので、
高額な取引の多い不動産売買では仲介手数料=3%と認識されている方も多いのではないでしょうか?
では、アパートを売却する際の税金も事前に知ることができるのでしょうか?
アパートを売却した場合に発生する税金としては以下の3つが挙げられます。
・登録免許税
・印紙税
・不動産譲渡所得税
『登録免許税』
登録免許税とは、アパートの売却で所有者が売主から買主に移転する場合の登記にかかる税金のことです。
アパートの売却の際に生じる登記は主に以下の2つがあります。
・所有権移転や抵当権設定
・ローン残債がある場合の抵当権抹消
登録免許税は、売主と買主の双方で連帯して納税義務を負いますが、一般的には所有権移転や抵当権設定にかかる登録免許税は買主、
ローン残債がある場合の抵当権抹消にかかる登録免許税は売主が負担するケースが多いです。
抵当権抹消にかかる登録免許税は、1つの不動産について1,000円です。
つまり、アパートの場合は、建物と土地の2つなので2,000円が必要です。
ただし司法書士に抵当権抹消を依頼する場合は、手数料も含めると1~2万円程度かかるので注意しましょう。
『印紙税』
印紙税とは、アパートを売却する際に買主と売主との間で締結する売買契約書に貼付する印紙代のことです。
購入した収入印紙を売買契約書に貼付すれば、間接的に税金を納めたことになります。
売買契約書を1部ずつ作成して買主と売主それぞれが原本を所有する場合は、収入印紙が2枚必要です。
1部を作成してもう1部をコピーで対応する場合は、収入印紙は1枚で問題ありません。
収入印紙の額は、売買契約の金額によって以下のように異なります。
売買契約の金額 |
本則税率 |
軽減税率 |
1,000万円~5,000万円以下 |
20,000円 |
10,000円 |
5,000万円~1億円以下 |
60,000円 |
30,000円 |
1億円~5億円以下 |
100,000円 |
60,000円 |
※令和4年4月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
『不動産譲渡所得税』
不動産譲渡所得税は、不動産を売却して利益が出た場合のみ納める税金です。
登録免許税や印紙税は、利益が出ているかどうかに関係なく不動産を売却する際にはほぼ必ず発生しますが、
不動産譲渡所得税は、利益が出た場合に限られているという大きな違いがあります。
アパートの売却によって利益が生じたかどうかは、単純に売却価格から購入価格を引けばいいというものではありません。
利益が生じたかどうかは、以下の計算式で算出します。
売却益=売却価格-購入価格-諸費用
また購入価格と言っても、購入時のアパートの価格をそのまま当てはめるわけではありません。
購入価格から今まで計上した減価償却費を引いた残りが、ここでの購入価格になります。
諸費用には売却時だけでなく購入時の諸費用も含まれます。諸費用として挙げられるのは以下のような費用です。
・仲介手数料
・土地の測量費
・印紙税
・入居者の立退料
・建物の解体費用
アパートを解体して更地として売却する際は、建物の解体費用を諸費用として引くことができ、
諸費用を引いて利益が残っている場合のみ不動産譲渡所得税を納めます。
不動産譲渡所得税の計算方法では、利益が生じた場合は、具体的にいくらの税金を納めることになるのでしょうか?
納める不動産譲渡所得税の金額は、アパートの所有期間が5年以内か5年を超えているかによって大きく異なり、
所有期間が5年以内は短期譲渡所得税、5年を超えている場合は長期譲渡所得税をそれぞれ納める事になります。
短期譲渡所得税
税額=課税短期譲渡所得金額×30%(住民税9%)
平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1パーセントを所得税と併せて申告・納付することになります。。
長期譲渡所得税
税額=課税長期譲渡所得金額×15%(住民税5%)
平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1パーセントを所得税と併せて申告・納付することになります。
5年を超えるかどうかで、アパートの売却益に課せられる税金が2倍近く異なるため、特に売却を急いでいない場合は、5年を超えてから売却した方が良いと言えるでしょう。
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